天才クラブ★四谷大塚NETフォーラム塾

  

しばらく休憩しておりましたコラムを
名前を少し変更して再開いたします。

このコラムは国立大学等で教鞭を取っておられる川口正義先生が
エフイーアイの子ども達の為に書き下ろされているエッセイを
先生の許可を得て発信しております。
少しでも子育ての役に立てれば私どもエフイーアイとしてもうれしいです。


保護者の間で意見が分かれることがあります。たとえば、子どもがやってはいけない行動をしているとしましょう。その際に、保護者は恥をかかせてもいいからきびしい指摘をすべきであるという意見があります。それに対して、子どもに恥をかかせて心に傷を負わせたら、後々よくないから、そうすべきではないという意見もあります。
オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラーは、こういいます。子どもに恥をかかせたり面目を失わせたりすることで、行動を改善するよう影響を及ぼすことができると決して信じてはなりません。嘲笑されることを怖れる子どもたちが、行動を変えるように見えることが時にあるとしても。嘲り笑うことによって刺激するという方法がどれほど疑わしいかは、次の例から判断できます。泳ぐことができないのでいつも友人にからかわれていた少年がいました。とうとうこの嘲笑に耐えることができなくて、飛び込み台から深い水の中へジャンプしたのです。この少年は助けられ、溺れずにすんだのですが。このように、危険な面もありますので、気をつけたいものです。